コードブレイカー

暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで

暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで

最高に面白い。

暗号の解読そのものの面白さもさることながら、暗号の変遷やその役割を通して浮かび上がる人の歴史を読ませてもらうことが出来て、終始わくわくさせられた。

僕は暗号そのものに興味があるから手に取ったわけだけど、そうでもない人でも存分に楽しめる良書だと思う。暗号に関する知識が全くなくても、最初から細かく説明してくれるし、何より暗号そのものの動きだけでなく、暗号に翻弄される人々の物語として存分に魅力を持っている。例えるならアンビリバボーみたいな……ちょっと違うかな。


最終章で出てくる量子論の細かいところを考えると頭が痛くなるが、引用されていたある言葉を見て心が救われた。

『めまいを覚えずに量子力学について考えることのできる人は、量子力学がわかっていないのだ』

ホントにそう。少々、常識が揺らぐんだよな。