『賢者の贈り物』石持浅海

賢者の贈り物

賢者の贈り物

寓話や昔話を現代風にして主人公に小難しく悩ませる短編集。
「金の携帯、銀の携帯」「可食性手紙」「玉手箱」みたいにタイトルでだいたい元になった話はわかる。あとは本当にずっと主人公(+α)があーでもないこーでもないと考えるだけの話。推理小説でよくある仮説立てる→崩す→また別の仮説→…の繰り返しだからそういうのが好きじゃないとちょっと厳しいかも。
全短編に共通して同じ名前の女性が出てきて、最初はアウターゾーンミザリーとか笑ゥせぇるすまんの喪黒福造みたいなポジションなのかと思ったけどどうも役割が一貫してないというか…物語の成立に手を貸してるのは確かだけど前の二人に比べて話の根幹に絡みすぎたりもしてるのが気になった。