『リロ・グラ・シスタ』詠坂雄二

リロ・グラ・シスタ―the little glass sister (カッパ・ノベルス)

リロ・グラ・シスタ―the little glass sister (カッパ・ノベルス)

カッパワン、ってことで書店で目に付いた時に買ってみた。眼球の人といい、これといいカッパワンはもうダメかもしれない。良かったのは最初だけだ。最初の幻想に釣られて買ってるわけだけど、そろそろやめておくべきか。
綾辻行人佳多山大地が推薦文寄せてると思ったらこれだ。僕みたいに騙される人がいるからやめてくれ。

欠点としてはキャラが好かんのと、文章が詠みにくいのと、トリックに捻りがないのと、ネーミングセンスがないのと、インクが四色に分かれてて読みにくいところがあげられる。ちょっと多いね。

しかしミステリとして初めてかもしれない経験を味わえたのも書いておく。
AをアピールされたらB、BをアピールされたらA、というのはミステリの常だ。でもそんな簡単なものは望んでいない。想像もしないCが欲しい。でもこの作品は、Aみたいに見せてるからBなんだろうなと思ったところが全部Bだった。これは初めてかもしれない。相性が悪かったのかもしれないが、ホントにこれ?もう一ひねりあるだろう、という気分のまま終わってしまった。
事件のトリックがわかったからつまらないんじゃなくて、トリックがつまらない。藤原達也が子供のころノートに書いてたような奴だよ、これは。
それでもある程度は料理次第で、と思うけど上記の通り五重苦だったのでホントに厳しかった。ミステリ要素を詰め込んだからってミステリとして良くなるわけではないんだよな。