『時を巡る肖像』柄刀一

時を巡る肖像

時を巡る肖像

実業之日本社だからなんとなくノベルスだと思って本屋に行ったのに、ハードでちょっとショックを受けつつも、柄刀ファンのアイデンティティを保つために購入。鏡の法則 人生のどんな問題も解決する魔法のルール
レジで金払ってる時に、すぐ横にあったこれ→
と完全に表紙の作りが被ってたのがちょっと面白かった。表紙の真ん中に穴が開いて鏡っぽい中が見えてる感じね。


内容は絵画修復士の人がかかわる事件を解決していくという、タイトル見りゃすぐわかるような内容です。柄刀は構造やトリックにこだわって、人物造詣なんかは地味なイメージだったんですが、この作品はなんか違う。短編それぞれに配したキャラと画家(作品)に結構深く踏み込んでいてなかなか面白かった。地味だ地味だと言われ続けてたキャラも結構魅力あるものに。ピカソの空白に出てきた、冷泉朋明なんてなかなかいい味出してます。でもそれでなー、トリックが薄くなってるような気がするんだよなー。
このシリーズで力の入れた長編を一つ作れば素晴らしいのが出来るんじゃないかと思います。